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オランダからスイスへの移住

オランダからスイスへの移住

オランダ国籍の方、またはオランダ在住の駐在員がスイスへの移住前後に整えるべき事柄をまとめました。

オランダからスイスへの移住は、スイスとEU・EFTA間で結ばれている人の自由移動に関する協定により、EUおよびEFTA域外からの移住に比べて手続き面で格段に簡潔です。オランダ国籍の方、またはオランダ在住でEU・EFTA籍を持つ方であれば、事前に労働許可を取得する必要はなく、就労のオファーを受けるか十分な資力があれば、雇用主または自営業者本人が到着を登録すれば、それに応じて滞在許可が発行されます。ただし英国籍の方は例外で、2021年以降は離脱協定に基づく既得権が適用される場合を除き、第三国国民として扱われます。

手続きが簡潔であることは、自動的に済むという意味ではありません。適切な市区町村(コミューン)への登録、法定期限内での義務的な健康保険の選択・加入、家財や、ペットがいる場合はその通関手続き、さらにオランダの運転免許・銀行口座・税務上の扱いをどうするかを出発前に決めておく必要があります。本ガイドでは、オランダ国籍者に適用される自由移動のルールから、移住そのものの実務的な段取りまで、直面する順序に沿って各ステップを解説します。税務や保険といった個人の状況に関わる規則については、あくまで調査や専門家との相談の出発点としてご参照いただき、個別のアドバイスとしては扱わないでください。

主なポイント

入国管理の根拠
人の自由移動に関する協定(スイス〜EU・EFTA間)
主な許可証の種類
L許可(短期)、B許可(滞在)、C許可(定住)
健康保険
到着後まもなく加入する義務的な基礎保険
運転免許
オランダの免許は一定期間内にスイスの免許へ交換可能
英国籍の方
2021年以降は第三国国民として扱われる(既得権の対象を除く)

オランダ国籍者向けの滞在・労働許可

オランダはEU加盟国であるため、スイスへ移住するオランダ国籍者は人の自由移動に関する協定の恩恵を受けられます。実務上は、渡航前に自ら労働許可を申請する必要はありません。雇用契約を得るか、就労しない場合は十分な資力と健康保険を証明できれば、雇用主または居住予定のコミューンが自由移動協定に基づき許可の登録手続きを開始します。

連邦移民事務局(SEM)は、状況に応じてEU・EFTA国籍者にいくつかの種類の許可を発行します。契約や派遣期間が1年未満の場合はL許可(短期滞在許可)、より長期の就労や自営業の場合はB許可(滞在許可)、そして継続居住の要件期間を満たした後にはC許可(定住許可)が発行されます。オランダなど近隣のEU諸国に居住したままスイスで就労する国境通勤者には、別途G許可(国境通勤者向け許可)が用意されています。

英国のパスポートをお持ちの場合、英国のEU離脱後に状況が変わった点にご注意ください。現在、スイスへ移住する英国籍者は基本的に他の第三国国民と同じ許可手続きを踏みますが、移行期間終了前にすでにスイスの居住権を有していた場合は、既得権によって従来の地位が保護されます。

  • L許可 — 短期滞在許可。通常は1年未満の契約に紐づく
  • B許可 — 長期の就労、自営業、または十分な資力を持つ非就労者向けの滞在許可
  • C許可 — 定住許可。継続居住の要件期間を満たした後に付与される
  • G許可 — 隣国に自宅を維持したままの国境通勤者向け

ご自身の契約内容、家族構成、移住先の州(カントン)に応じてどの許可区分が適用されるかを見極めることは、海外にいながらでは誤りやすい細部です。当社の移住コンサルタントが、カントン当局とのやり取りや書類手続きを代行いたします。

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コミューンへの到着登録

スイスに到着したら、新しい居住地のコミューン(gemeenteに相当する地方自治体)に、定住後短期間のうちに住所を登録する必要があります。正確な日数はカントンによって多少異なるため、住所が確定次第、コミューンの窓口で締切を直接確認してください。この登録が、自由移動協定に基づく滞在許可申請を正式に開始させる手続きとなります。

一般的に必要となるのは、パスポートまたはオランダの身分証明書、雇用契約書または自営業・十分な資力を証明する書類、賃貸契約書などの新住所を証明する書類、そして証明写真です。配偶者や登録パートナー、子どもなど同行する家族も、通常は同時期またはその後まもなく、身分関係を証明する書類とともに登録されます。

  • 有効なパスポートまたはオランダの国民IDカード
  • 雇用契約書、または自営業・十分な資力を証明する書類
  • スイス国内の住所証明(賃貸契約書または大家からの確認書)
  • 同行する家族の身分関係書類(該当する場合)

オランダから家財・車両を持ち込む

スイスでは、オランダを含むEU・EFTA加盟国から主たる居住地を移す方に対し、実際に使用していた個人・家財を関税および輸入付加価値税なしで持ち込むことを認めています。ただし、これはセカンドハウスの開設ではなく、実質的な主居住地の移転である場合に限られます。スイス税関(連邦税関・国境警備局)は輸入品目を記載した申告書の提出を求めるため、荷造りの段階でリストを作成しておくとよいでしょう。

オランダ登録の自家用車を持ち込む場合、実質的な居住地変更に伴うものであれば通常は同じ家財の優遇措置のもとで輸入できますが、スイス入国後に技術検査とスイスでの登録手続きが必要になります。古い車両を持ち込む前に、現行の排ガス規制や安全基準を現地購入と比較しながら確認しておくことをお勧めします。

オランダからペットを連れてくる

犬、猫、フェレットは、EU域内移動で使われているEUペットパスポート制度のもとで、マイクロチップの装着と渡航前の有効な狂犬病ワクチン接種記録があれば、通常はオランダから同様の手続きでスイスに入国できます。ワクチン接種と渡航のタイミングには一定の間隔が必要で、直前になって短縮することはできないため、出発日のかなり前にオランダの獣医師に現行の要件を確認してください。

健康保険、銀行口座、日常の手続き

スイスでは、新たに到着したEU・EFTA国籍者を含め、居住するすべての人が、居住開始後の定められた期限内にスイスの保険会社で基礎健康保険(LAMal/KVG)に加入することを義務付けています。加入がやや遅れた場合でも、保障は到着日にさかのぼって適用されます。基礎保険の保障内容は標準化されていますが、保険料や自己負担額(フランシャイズ)の選択肢は保険会社やカントンによって異なるため、最初に見つけた1社に決めず、複数のプランを比較することをお勧めします。当社のコンサルタントは、直接的な個別アドバイスではなく、比較検討をサポートする資格を持つ保険専門家との調整を行います。

スイスの銀行口座開設は、滞在許可証、または少なくとも登録手続きが進行中であることを示す確認書と、住所証明・パスポートがあれば通常は問題なく行えます。多くの新規移住者は、移行期間中は既存の口座引き落としのためにオランダの口座を維持しておき、スイスでの資金基盤が整ってから解約または移行しています。

滞在許可が正式に発行される前に健康保険加入の証明が必要かどうか、雇用主やコミューンに確認してください。カントンによっては、登録の時点で確認されることがあります。

運転免許の交換

オランダはスイスと相互承認の取り決めを結んでいる国のリストに含まれているため、オランダの運転免許は通常、実技試験を受け直すことなくスイスの免許に交換できます。この交換は居住開始後の定められた期間内に行う必要があり、その期間を過ぎるとオランダの免許はスイスでの運転に使用できなくなるため、後回しにしてよい手続きではありません。現行の期限や必要書類は、居住するカントンの道路交通局(Strassenverkehrsamt)で確認してください。細かな手続きはカントンによって異なる場合があります。

オランダから移住する際の税務上の留意点

C定住許可を持たない外国人従業員の多くは、スイスで源泉徴収税(impôt à la source)の対象となり、雇用主が給与から直接スイスの税金を天引きするため、当初数年間は通常の確定申告を行いません。同時に、オランダでの税務上の立場にも注意が必要です。オランダを離れることで現地での居住者資格、年金や社会保障の扱い、保有するオランダの所得や不動産への影響が生じる可能性があり、スイスとオランダの税制の相互関係は個々の状況によって異なります。

この分野は細部が非常に重要であり、誤ると大きな損失につながりかねないため、本セクションはあくまで全体像の概要としてお読みいただき、個別の状況に対するアドバイスとしては扱わないでください。当社のコンサルタントは両国の資格を持つ税務専門家と連携し、オランダの制度をそのまま前提とした思い込みではなく、明確な見通しを持って移住に臨めるようサポートします。

子どもの就学と定住

スイスではおおむね4歳から15歳までが義務教育とされ、全国一律ではなく州(カントン)およびコミューンの単位で運営されています。公立学校は無償ですが、授業は基本的にオランダ語や英語ではなく、居住するカントンの現地語(ドイツ語、フランス語、イタリア語のいずれか)で行われます。国際的なカリキュラムの継続を望む家庭や、限られた年数のみ滞在する家庭では、私立校やインターナショナルスクールを検討することが多く、これらは独自の入学スケジュールで動いているため、移住のかなり前から連絡を取っておく価値があります。

就学面を除けば、オランダからスイスへの適応は、より遠方からの移住に比べて文化的な差は小さいものの、違いは残ります。店舗の営業時間は短く、リサイクルやごみ処理のルールは厳格に運用され、コミューンごとに異なります。また、正式な登録や書類手続きが日常の行政において、多くの新規移住者が想像する以上に大きな役割を占めます。

手順とスケジュール

1

移住前に許可区分を確認する

契約期間、就労形態、家族構成に基づいて、L・B・C許可のいずれに該当するかを確認し、出発前に準備すべき書類を把握しておきます。

2

義務的な健康保険を手配する

到着前からスイスの基礎健康保険の各社プランを比較しておき、法定期限内に加入して保障の空白期間を避けます。

3

到着後、コミューンに登録する

賃貸契約が決まり次第、新住所のコミューンに予約を取り、パスポート・契約書・住所証明を持参して滞在許可手続きを正式に開始します。

4

通関、車両、ペットの手続きを行う

税関申告用に家財の目録を準備し、車を持ち込む場合は技術検査の要件を確認し、ペットのワクチン接種スケジュールをオランダの獣医師と確認します。

5

運転免許を交換し、銀行口座を開設する

カントンの道路交通局を訪れ、期限内にオランダの免許を交換するとともに、登録手続きが進行中の段階でスイスの銀行口座を開設します。

6

就学と税務の手続きを並行して進める

お子様がいる場合は早めに学校へ連絡し、最初のスイスでの給与が振り込まれる前に、国境をまたぐ税務の専門家とオランダ・スイス双方の義務について相談してください。

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よくある質問

オランダ国籍者はスイスへの移住にビザが必要ですか。
いいえ。EU国籍者として、スイスへの入国・就労にビザは必要ありません。人の自由移動に関する協定に基づき、到着後にコミューンへ登録すれば、それをもとに滞在許可の手続きが進められます。事前にビザを申請する必要はありません。
登録が必要になるまで、どのくらいスイスに滞在できますか。
定住後は速やかにコミューンへ住所を登録することが求められており、正確な期限はカントンによって多少異なります。賃貸契約に署名し次第、具体的な期限をコミューンに確認してください。この登録が滞在許可手続きの起点となります。
オランダの車を関税を払わずにスイスへ持ち込めますか。
すでに使用している車を含む個人所有物は、オランダから主居住地を実質的に移す場合、通常は関税なしで持ち込めます。ただし、スイス入国後には技術検査と登録が必要になるため、古い車両を持ち込む前に現行の要件を確認してください。
オランダの運転免許はスイスで有効ですか。
居住開始後の一定期間は有効ですが、その後はスイスの免許に交換する必要があります。オランダはスイスと相互承認の取り決めがあるため、通常は新たな実技試験は不要ですが、カントンの道路交通局が定める期限内に手続きを完了する必要があります。
オランダの保険にすでに加入している場合でも、スイスの健康保険が必要ですか。
はい。スイスでは、オランダで保険に加入していたかどうかにかかわらず、居住するすべての人がスイスの基礎健康保険に加入する必要があります。到着後は法定期限内に加入する必要があり、保障は到着日にさかのぼって適用されます。
移住するとオランダの年金や税務上の居住者資格はどうなりますか。
オランダを離れることで、オランダでの税務上の居住者資格が変わり、年金や保有するオランダの所得の扱いにも影響が及ぶ可能性があります。これは個々の状況に大きく左右されるため、スイスとオランダの制度が自動的に連動すると思い込まず、移住前に国境をまたぐ税務の専門家に相談することをお勧めします。
子どもはスイスの公立学校で英語やオランダ語の授業を受けられますか。
いいえ。公立学校の授業は、居住するカントンの現地語(ドイツ語、フランス語、イタリア語のいずれか)で行われます。英語やインターナショナルなカリキュラムを希望する場合は、私立校やインターナショナルスクールを検討し、入学枠が学年開始のかなり前に埋まることもあるため、早めに連絡を取ってください。

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