健康保険の自己負担額(フランシャイズ)を選ぶ
スイスの強制健康保険で選べる自己負担額の水準について、実践的に解説するガイドです
結論
スイスの健康保険における自己負担額(フランシャイズ)とは、保険会社が費用を負担し始める前に、毎年自分自身で支払う金額のことです。成人はCHF 300からCHF 2,500の間で、子どもはCHF 0からCHF 600の間で選択します。自己負担額を高く設定すると月々の保険料は下がりますが、実際に医療を受けた際の自己負担は増えるため、想定される医療費と、いざというときに大きな出費を許容できるかどうかによって、最適な選択は変わってきます。
スイスに居住するすべての人は、入国から3か月以内に基礎健康保険(LAMal/KVG)に加入しなければなりません。そして保険会社から最初に求められる判断のひとつが、どの自己負担額(フランシャイズ)を選ぶかです。選んだ自己負担額は暦年を通じて月々の保険料に影響するため、契約前にきちんと理解しておく価値があります。
このガイドでは、自己負担額の仕組み、選べる水準、あわせて発生する自己負担割合(コペイメント)との関係、そして自分の世帯の状況に応じてどう考えるべきかを説明します。専門の保険ブローカーとの相談に代わるものではありませんが、その相談に自信を持って臨むための土台となるはずです。
強制健康保険における自己負担額の仕組み
自己負担額とは、強制保険(LAMal/KVG)が費用の払い戻しを始める前に、年間の医療費のうち自分自身で負担する部分のことです。保険会社への加入時期や、前回いつ自己負担額を使い切ったかに関わらず、毎年1月1日にリセットされます。
自己負担額に算入される費用には、ほとんどの診察、処方薬、一般病室での入院、強制保険の対象となる検査費用などが含まれます。連邦の政令で定められた一部のワクチン接種や検診などの予防的サービスは対象外となり、最初の1フランから払い戻されます。
- 自己負担額は世帯単位ではなく、被保険者一人ひとりに適用される
- 保険契約を選択・更新するタイミングで年に一度設定される
- 使わなかった自己負担額は翌年に繰り越されたり、翌年分が減額されたりすることはない
成人と子どもで選べる自己負担額の水準
成人の場合、スイスの保険会社は標準の自己負担額に加え、より高い水準の任意の選択肢を提供しなければなりません。高い自己負担額を選ぶと、自己負担する範囲が広がる代わりに、月々の保険料は下がります。
子どもの場合はゼロから選べます。小児の医療費は予測が難しいことから、自己負担額をまったく設定しない保険を選ぶ家庭も少なくありません。
| 対象 | 選択できる自己負担額の水準 |
|---|---|
| 成人(19歳以上) | CHF 300(標準)、その上でCHF 2,500までの任意の水準を選択可能 |
| 子ども(18歳以下) | CHF 0(標準)、その上でCHF 600までの任意の水準を選択可能 |
自己負担額に加えて発生する自己負担割合(コペイメント)
その年の自己負担額を払い終えても、すぐに全額払い戻しになるわけではありません。強制保険では、自己負担額を超えた費用に対して通常10パーセントの自己負担割合(コペイメント)が適用され、年間の上限額に達するまで続きます。
この上限額は成人と子どもでそれぞれ法律で定められているため、その年に実際に自己負担する金額の上限は、選んだ自己負担額にこの上限付きのコペイメントを加えたものになります。なお入院時には、選んだ自己負担額とは別に、宿泊・食事にかかる定額の負担金が別途発生します。
どの自己負担額を選ぶべきか
唯一の正解はありません。適切な自己負担額は、どのくらいの頻度で受診する見込みか、常用薬があるか、妊娠や手術を予定しているか、そして月々の保険料の負担軽減が家計にとってどれだけ重要かによって変わってきます。
一般的な考え方として、その年に定期的な医療費が見込まれる人には低い自己負担額が向いています。小さな子どものいる家庭、慢性疾患を抱えている人、あらかじめ手術の予定がある人などです。一方、健康状態が良く受診の機会が少ない人には、より高い自己負担額が向いています。毎月の保険料を低く抑え、例外的な年に大きな出費が生じるリスクを引き受ける考え方です。
これは、スイスに来たばかりの人が避けられるはずの失敗をしがちな領域のひとつでもあります。多くの場合、実際の利用状況を比較しないまま、来訪直後の時間的な余裕のない中で保険会社と自己負担額を決めてしまうことが原因です。
低い自己負担額が向いているケース
その年のうちに保険を利用する可能性が高い状況では、低い自己負担額を選ぶ方が計算上有利になります。
- 妊娠を予定している、またはすでに妊娠している
- 定期的な治療や服薬が必要な慢性疾患がある
- 世帯に小さな子どもがいる
- 手術の予定がある、または専門医による経過観察が続いている
高い自己負担額が向いているケース
医療の利用が予測しにくいものの、月々の負担を軽くするためにより多くのリスクを引き受けられる状況もあります。
- 健康状態が概ね良好で、受診の頻度が少ない
- 予期せぬ出費にも対応できる安定した資金的な余裕がある
- 毎月の固定費をできるだけ抑えたい
自己負担額の水準を自分の実際の状況と照らし合わせて検討することは、赴任してきた家族や従業員が直面する数多くの保険・行政手続き上の選択のひとつです。私たちのコンサルタントは、専門の保険アドバイザーと連携しながら、暦にとらわれずご自身の状況に合った選択ができるよう支援します。
事前評価を依頼する自己負担額はいつ、どのように変更できるか
自己負担額は年に一度変更でき、変更は翌年の1月1日から適用されます。保険会社は通常、前年の秋に定めた期限までの通知を求めるため、これは一度決めたら終わりではなく、毎年見直すべき判断です。
妊娠や病気の診断など、年の途中で状況が大きく変わった場合は、費用がすでに積み上がってしまう前に、次の更新時期に向けて自己負担額を見直しておく価値があります。
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よくある質問
自己負担額(フランシャイズ)と保険料の違いは何ですか?
家族一人ひとりで異なる自己負担額を選べますか?
自己負担額は救急治療にも適用されますか?
その年に自己負担額をまったく使わなかった場合はどうなりますか?
スイスに到着した後でも自己負担額を変更できますか?
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